前回、投稿した他にも、子ども達一人一人の様々な育ちが見られたハロウィンフェスティバル。今回は、また違った年長組の育ちの姿をご紹介します。
クラス全体がハロウィン製作の中、〝自分は何を作ろうかな~〟と迷い中のB子ちゃん。そんな姿に気づいた担任が「先生のお手伝いしてくれる?」と声を掛けました。
初めてのことに対しては、慎重に時間をかけて、ゆっくりと取り組みたい性格であることを十分理解しているため、担任は〝焦らず自分のしたいことを決めてもらいたいなぁ~〟と願いながら、B子ちゃんを誘って動向を見守ることにしたのです。
B子ちゃんは、周りをじっくり見る観察力があります。そのため、しばらく経ったある日、B子ちゃんから「先生、これ切っておいたよ!」と声を掛けてくれました。なんと、B子ちゃんは担任の動きを見て、「これを作っておくと先生が助かるかも?」と自分で考え、見通しを持ちながら動いてくれたのでした。担任は、その姿に驚き、そして嬉しくて、心からありがとうを伝えました。きっと、そのことが大きな自信につながり、B子ちゃんの1歩前進のきっかけになったと園では捉えています。その日を境に、B子ちゃんの様子が変わり始めました。担任の側から離れて、困っている友達や大変そうにしている友達に近づいては、「手伝うよ!」「何するといい?」「じゃ私、ここ作るね!」と積極的に輪の中に入っていくのでした。その表情からは、〝友達のために〟〝クラスのために〟自分なりに考えて行動することが楽しく、またクラスのみんなと1つの目的に向かって作り進める心地良さも感じているようでした。
年長組になると、人とのかかわりの中で育まれる学びがたくさんあります。そして、その学びは遊びを通して生まれることが多いのです。今回は、人のために「役に立ちたい!」という気持ちから始まり、相手の立場に立って考えてみたり、見通しをもって行動したりする力を養うことができました。
また今回、担任のかかわり方にもポイントがありました。
どうしても大人は、良かれと思って先回りをして手を差し伸べては、できるだけ早く集団の中に入れようとして、入ったという結果を求めてしまいがちです。でも子ども達の成長のカギとなるのは、そのショートカットしがちな過程の中にあるのです。だから私達の園では、あえて時間をたっぷりかけて「待つ」という援助を1つの方法として行っています。その内容は、子ども達が自ら感じている時間、立ち止まっている瞬間。その時を、ただそのまま保障してあげるという、ごくシンプルなもの。でも、このかかわり、時間こそが、子ども達の自分で考えてみる力、解決する力へと最終的につながっていくのです。
そのため、B子ちゃんがあの時、数日間担任の隣でじっくり周りを観察しながら活動した時間は成長のために必要な時間であると言えるのです。
